小樽市の出店判断|競合調査・広告テスト・現地確認を、物件契約の前に進める

小樽市の店舗経営を考えるAI生成イラスト


小樽で店を開こうとして、同業店の少ない通りに空き物件を見つけた。「競争相手がいないから、ここならいける」。その判断の前に、もう一つ確かめることがあります。そのサービスにお金を払う人が、そこで暮らし、働き、通っているかです。

繁友健志の動画「出店エリアの選び方」では、エリアを選び、その中で立地を選ぶ順番を説明しています。競合店の調査、広告による反応の比較、開業前の見込み客づくり、現地を歩くときの見方までつながった話です。小樽の物件を検討する際も、家賃や内装だけで決める前に、この順番で材料を集めてください。

目次

競合がいないことと、需要があることは別です

動画では、街に一つしかない店が一人勝ちする可能性は認めつつ、初めての出店でそこを狙うことを勧めていません。理由は、市場がない場所では、自店を選んでもらう仕事の前に、そのサービスを使う意味を知ってもらう仕事が加わるからです。

例えば、すでに利用されているサービスなら、お客さんは内容をある程度知っています。そのうえで店の場所、価格、技術、雰囲気などを比べます。一方、サービス自体を知らない人には「何をする店なのか」「どんなときに使うのか」から説明しなければなりません。競合との比較がない代わりに、認知のための広告費と説明の手間を自分で負担することになります。

サロンは掲載件数を数えるだけで終わらせない

サロンの競合調査では、候補の駅やエリアをGoogleマップ、ホットペッパーなどで検索し、一店ずつ中身を見ます。店舗一覧に出ているからといって、すべての店が同じように動いているわけではありません。

動画では「スタッフが10人掲載されていても、実際に稼働しているのは3人」という例が出てきます。掲載スタッフの人数だけを見て大きな繁盛店だと考えると、判断を間違えることがある。予約の空き方、スタッフの出勤や予約枠などを合わせて見る必要があるという説明です。登録情報が残っていても、営業の実態が分かりにくい店があることにも触れています。

自店の調査では、店名、業態、価格帯、スタッフ情報、確認した曜日と時間、予約枠の状況を並べると比較しやすくなります。ただし、画面に空きがない理由は予約の多さだけではありません。出勤人数や予約枠の公開設定もあるので、「予約枠がこう見えた」という観察と、「利益が出ている」という推測は分けてください。まずは営業の実態を調べ、追加で確認したい店を絞る材料にします。

珍しい業態ほど、同じ名前の店だけを探さない

ドライヘッドスパを考えていて、周辺に同じ店が少ない場合、調査をそこで止めると需要の手掛かりを逃します。動画では、リラクゼーション、同じような価格帯のマッサージやもみほぐしも見るように話しています。お客さんが「疲れを和らげたい」「休みたい」と考えたとき、比較する相手は業種名が同じ店だけではないからです。

また、バストアップサロンのように店舗数が少ないサービスなら、ボディメイクや痩身など、近い目的のサロンがあるかを見る例も出てきます。何でも近い業種に含めるのではなく、利用目的と価格帯をそろえて比較するのが要点です。

動画にある「類似する店が15店、20店ある」という話も、その数なら必ず出店できるという基準ではありません。すでにその用途で店を利用する人がいるかを調べるための例です。店数から市場の存在を考え、その中で自店が誰に選ばれるかを次に考えます。サロンと類似サービスの調べ方

飲食店は、ランチと夜の需要を分けて観察する

サロンは上階に入っていたり、外から店内が見えなかったりします。対して飲食店は、店頭の行列や席の埋まり方を現地で見やすい。この違いがあるので、調査方法も同じにはなりません。

動画では、食べログなどで同業店を調べることに加え、実際に街を歩き、客入りを見る方法を挙げています。その際、「飲食店が多い」だけでは不十分です。自分が営業したい時間に、ランチの需要があるのか、お酒を飲む需要があるのかを見ます。昼に人が集まる場所が、そのまま夜も向いているとは限りません。

焼肉店を出したいなら、同業店の有無を調べつつ、そこでどのような利用が起きているかを見る。まったく同業がない場所で勝負する方法もありますが、その場合は需要を作る負担の検討に戻ります。自分が提供するものと、その街で実際に発生している用事が合うかまで確認してから、物件を評価します。

候補エリアに広告を出し、契約する前に反応を比較する

動画では、もう一段踏み込んだ調査としてMeta広告を使う方法も紹介しています。3〜4程度の候補エリアに広告を出してLPへ誘導し、表示にかかる費用やクリック率を比べるというものです。動画内では、各エリアに3万円ずつ、5万円ずつといった予算例が出ています。

この金額は、どの店にも必要な固定予算ではありません。「何となく良さそうな街」を、同じ提案への反応で比較するための例です。3エリアなら総額はいくらになるか、その費用を出店判断のために使えるかも含めて計画します。

自店で比較するときは、あるエリアだけ大きな割引を付けたり、別の商品を見せたりすると、場所と提案のどちらが反応を変えたのか分かりにくくなります。まず同じサービス、同じ見せ方を基本にして、表示、クリック、登録を分けて記録する。表示されやすいだけなのか、内容を読みたい人が多いのか、その後の案内も受け取りたい人がいるのかを段階ごとに見ます。

反応のよいエリアは優先して検討する材料になります。ただし、広告の反応だけで契約を決める話ではありません。現地での来やすさや物件条件も照合します。また、準備段階ならその段階が分かる案内にし、まだ決まっていない開店日や出店場所を確定事項として見せないようにします。複数エリアの広告を比較する解説

広告テストを、オープン時の予約づくりにつなげる

広告の比較は、調査結果を受け取って終わりではありません。動画では、LPなどからLINE登録へ進んでもらい、開業後の案内を届ける流れまで説明しています。飲食ならドリンク1杯無料、サロンなら登録者限定の2,000円割引といった特典も、動画内の具体例です。

ここで大切なのは、特典の名前よりも順番です。先に興味を持ってくれる人との接点を作り、出店エリアを決めたら、そのエリアへの広告と案内を続ける。開店するときに予約の案内を届けられる状態を目指します。物件の契約が終わってから初めて集客を考えるのとは、準備の進み方が違います。

割引を使う場合は、自店の単価や原価に合わせて決めてください。登録した人すべてが予約するわけでも、値引きで来た人すべてが再来店するわけでもありません。登録数に加え、予約の案内を出したときの反応や来店まで見れば、どこで止まっているかを把握しやすくなります。

例えば、登録は集まるのに予約が進まないなら、料金、営業日時、所在地、予約方法などに不明点がないかを見る。開業準備と集客を別の仕事にせず、「店を知り、案内を受け取り、予約する」という順番までつなげておくのが、この部分の実務です。開業前の登録から予約につなぐ話

現地へ行く前に、Webで調べられることを済ませる

エリアを絞ったら、個別の立地を見ます。動画では、Googleマップ、各種ポータルサイト、物件情報など、Webで見られるものを調べたうえで現地へ行く順番を勧めています。現地に行けば何となく分かる、では時間がもったいないからです。

事前調査で競合の位置や価格帯、候補物件、駅からの経路を押さえ、「画面では分からなかった何を確かめるか」を決めます。現地では、実際に営業している様子、入口の見つけやすさ、歩いたときの距離感や街の雰囲気を見ます。調査をしてから歩くと、ただ街を眺めるのではなく、判断に足りない材料を集める作業になります。

「毎月ここへ通いたいか」を、お客さんの立場で歩いて確かめる

動画では、同じ駅でも出口によって雰囲気が大きく変わることを指摘しています。行き慣れた場所ほど、その違いや不便さを当たり前に感じてしまいます。だから、初めて降りた人のつもりで歩く必要があります。

特に、毎週、月2回、毎月といった通い方をする店では、「一度なら行ける」と「繰り返し通いたい」は別です。動画には、周辺の業態、散らかったごみ、飲み屋街の様子などが、通う気持ちに影響する例もあります。街や業態の優劣を一律に決めるのではなく、自店のお客さんがその時間に歩き、店に入る場面を想像してください。

昼に内見しただけなら、実際の予約時間にも歩いてみる。入口まで迷わないかだけでなく、帰るときにも利用しやすいかを見る。物件の中がきれいでも、来店するたびに通る道に負担があれば、店内だけでは解消できません。繰り返し通う顧客の目線で立地を見る

必要な客数、来店頻度、客層から立地を決める

人通りが多いほど、どんな店にもよい立地になるのでしょうか。動画は、コンビニで1日800人ほどの来店を必要とする例と、高単価サロンで1日3人の来店で黒字になる例を対比しています。これは業種共通の採算基準ではなく、必要な客数の違いを説明するための例です。

多数の来店を必要とする店なら、店前の通行量や立ち寄りやすさが大きな意味を持ちます。一方、予約をして目的来店する店であれば、店前を通る人の多さ以外にも、予約した人が無理なく到着できるか、継続して利用できるかを重視できます。必要以上に人通りだけを求めれば、自店には不要な立地条件に費用を使うことにもなります。

先に、サービス、価格帯、1日に必要な客数、想定する来店頻度を書き出す。それから候補地を比べる。動画の最後には、学生、ファミリー、高齢者など、地域の人の属性と自店のターゲットが合うかという視点も出てきます。人数だけでなく、自店を必要とする人がいるかまで戻って判断します。

小樽では、観光の立ち寄りと日常の利用を分けて調べる

小樽市の「中心商店街周辺滞在量調査」は、都通り・サンモール一番街・花園銀座周辺を対象に、位置情報から市内・市外の居住者と推定される人を分けています。データ取得期間は2019年10月〜2025年3月です。中心部をどんな人が利用しているかを考える資料になりますが、現在の店前通行量や、自店の商品を買う人数そのものではありません。

一方、堺町通り商店街の公式案内は、JR小樽駅とJR南小樽駅の間に位置し、飲食や買い物を楽しむ観光の通りとして紹介しています。旅行中の立ち寄りを想定する店と、地元のお客さんが毎月通う店とでは、サービスに使える時間も、再来店の条件も違います。「小樽中心部」とまとめず、自店が取りたい用途を候補地ごとに当てはめてください。

例えば予約制サロンなら、観光のにぎわいだけを採点せず、近い目的・価格帯のサービス、予約状況、生活圏からの来やすさを確認する。飲食なら、観光で歩く時間帯と、自店が営業したい時間帯の客入りを照合する。これは各地区の繁盛を断定する話ではなく、公式資料を起点に現地で何を調べるかを決める使い方です。

表は横にスクロールできます

判断の順番 小樽の候補地で埋める項目 判断を急がない状態
自店の条件を決める 目的、単価、必要客数、来店頻度、主な客層 業種名と家賃の上限しか決まっていない
需要を調べる 同業・類似サービス、価格帯、稼働の手掛かり 地図上の店舗数だけで市場を決めている
エリアを比較する 同じ提案への広告・LP・登録の反応 条件の違う広告結果を単純に比べている
個別の立地を見る 予定営業時間の経路、周辺の様子、入口 昼の内見だけで夜の利用まで判断している
開業へつなげる 案内を届ける先、予約開始の流れ、担当 契約後に初めて集客を考える予定になっている

まず候補地を二つ並べ、自店の必要客数と、誰が何のために使うかを書いてください。その後に競合・広告・現地の情報を足すと、「好きな街だから」「競合が少ないから」だけで決めずに済みます。空欄が残ったところが、契約前に確認する宿題です。

参照資料

競合調査も広告テストも、他店の結果をそのまま自店へ当てはめると判断を誤ります。自分の条件を整理して、他の経営者が何を確かめ、どこで判断を変えたかを聞く。その比較が、契約前の見落としを見つける助けになります。

この記事の原案・動画解説者

繁友健志(しげとも たけし)
店舗経営者倶楽部 主宰/店舗情報サービス株式会社 代表取締役

店舗賃貸借業務を1,000店舗以上経験。出店、賃料の見直し、修繕、撤退などの店舗不動産実務と、自らの店舗運営の経験をもとに、物件・内装・店舗経営をつなげて考える方法を発信しています。

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  • 実店舗出店マニュアル:出店前に確認する順番を整理し、準備の抜けを見直す

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