店舗物件が見つからない、は無い 探しきれてないか条件がおかしいかの二択
物件が無い、ということはまず無いです
無いんじゃなくて、探しきれてないだけ
それでも出てこないなら、探してる条件の方がおかしい
出店の相談は毎回同じ形をしてます
三ヶ月、半年と探してるのに決まらない、いい物件が世の中に無い、エリアが悪い、タイミングが悪い
聞いていくと世の中の話じゃなくて、自分で候補を消してるだけなんですよ
しかも消してる自覚が無い
私は店舗経営そのものを人様に教えるほどの人間じゃないです
そこは自分も学んでる側なんで、詳しい人を連れてくる役に回ります
店舗物件の賃貸借だけは10年以上、1000店舗以上やってきたので、物件の探し方と条件の作り方はここで言い切ります
「見つからない」の正体は、動かせる条件で足切りしてること
探す条件には二種類あります
業態が決まった時点で動かせない条件と、貸主との交渉で動く条件です
見つからないと言う人は、この二つを混ぜたまま検索フォームに打ち込んでます
交渉すれば動くはずの数字を、検索の段階で「これ以上は無理」の線として使ってしまう
結果、本来なら候補に残る物件が最初から画面に出てこない
だから最初にやるのは物件探しじゃなくて、条件の仕分けです
動かせない条件 ここは先に固めて譲らない
- 面積(席数と動線が成立するか、広すぎないか)
- 間口と視認性
- 階数(路面が必須か、上階でも成立する業態か)
- 電気容量
- 給排水の位置
- 排気・ダクトの可否
- 天井高と柱の位置
- 用途制限・消防法上の可否
- 荷捌きと駐車場
ここは金額の交渉でひっくり返らないところです
工事で無理やり返そうとすると工事費が乗るので、賃料を下げた分がそのまま消える
自分の業態でこれだけは外せない、という項目を先に紙に書き出して固定してください
固定していいのはこれだけです
広い・安い・新しいは条件じゃないです、ギリギリ収まる箱が一番効率がいい
動かせる条件 ここで切ってると物件は永遠に出てこない
- 賃料
- 敷金・保証金
- 礼金
- フリーレント
- 契約期間
- 原状回復の範囲
- 造作の引き継ぎ方
- 引き渡し時期
募集条件に出てる数字は、決まった金額じゃなくて貸主の希望です
賃料は一割を目安に動く前提で候補に残す
募集条件のまま受け取って外していくと、探せる母数が勝手に減っていきます
注意点が一つあって、管理費と共益費は建物全体で按分してる性質上、下げにくいところです
ここに要望を出すと話がややこしくなるだけなんで、私は触りません
あと、一等地だから交渉は通らない、不人気物件だから通る、という読み方はやめた方がいいです
私は地代が日本一高いと言われる銀座4丁目でも減額を通して、物件取得費用を114万円落としてます
その一方で、ずっと空いてる地方の物件で一円も動かなかったこともある
条件が動くかどうかを決めるのはエリアでも人気度でもなく、貸主がどう考えてるかだけです
紙一枚でやる条件の棚卸し
やることは単純です
- いま検索に使ってる条件を全部書き出す
- 動かせない列と動かせる列に分ける
- 検索フォームに入れるのは動かせない列だけにする
- 動かせる列は「希望」として不動産屋に伝える欄へ移す
- 出てきた候補を温度感で三段階に並べる
三段階というのは、どうしても獲りたい物件、条件が通るなら獲りたい物件、通ればラッキーの物件です
全部を全力で取りに行くと交渉が雑になるし、全部を様子見すると一つも決まらない
先に順位をつけておくと、どこまで踏み込むかで迷わなくなります
賃料で切る前に、自分の持ってるカードを数える
ここからは条件を動かす側の実務です
- 希望条件は口頭で言わない、申込書に書いて出す
- 貸主へ出す事業概要の資料を、申込書と一緒に提出する(一度作れば一生使えます)
- フリーレントを要望するなら、早期解約違約金をこちらから先に差し出す
- 決められる状態なら、即契約・即入金をカードにする
書いてない項目は、最初から諦めたのと同じ扱いになります
口頭で「いくらなら借ります」と言っても、間に立つ不動産屋が貸主に説明できる形になってないので、そこで止まる
交渉は貸主へ直接ぶつけるものじゃなくて、不動産屋が貸主に持っていける形をこっちで作る作業です
早期解約違約金をテナント側から先に出す人はほぼいません
だからこそ効きます
相手のリスクヘッジをこっちから先に差し出しておくと、ややこしい相手じゃないという見え方になって、本当に取りに行きたい条件の方が通る
自分だけが得をする形で交渉に行かない
そこと一本で、仲介手数料を半分にしろ、タダにしろ、というのは絶対にやらない方がいいです
私が不動産屋だからのポジショントークじゃなくて、動いてくれる人の取り分を削った瞬間に交渉のテーブルごと失うからです
それでも出てこないなら、探してる相手が違う
ここまでやって候補が増えないなら、物件じゃなくて不動産屋の問題です
探しに行く対象を、物件から「動いてくれる不動産屋」に変える
掲載されてる物件は、地場の不動産屋と会うための撒き餌として使う
内見はその物件を判定する場じゃなくて、こっちの本気度を見せる場として使う
提案をもらったら必ず反応を返す
不動産屋は契約が決まらないと一円にもならない商売です
だから「そのうち出店しようかと思ってて」という客は、悪意なく後回しになる
熱意の問題じゃなくて相手の収益構造の問題なんで、こっちが今動く客に見える状態を作るしかない
一番まずいのは、提案してもらったのに無視することです
反応が返ってこない相手に、次の情報は回ってきません
めんどくさいですよね、実際めんどくさいっす
めんどくさいまま返信だけ返してください、それで次に回ってくる情報の量が変わります
「条件に合うエリアが無い」も、だいたい読み違い
競合がいないエリアを見つけて総取りできる、と思わないことです
誰も出してない場所には、出さない理由があります
同じ客層を狙う業種が集まってる場所に寄せる方が外れない
店舗開発部を持つ大手が調査費をかけて出した答えに、タダで乗ればいい
競合がいるから避ける、という条件設定をしてる限り候補は減り続けます
市場があるというサインを、自分から消しにいってることになる
半年出てこないのは、探し方が半年前のままだから
物件が無いから決まらない、という状態はほぼ存在しないです
動かせる条件で足切りしてるか、条件は正しいのに動いてくれる不動産屋がいないか、そのどちらかです
条件の仕分けは紙一枚で終わります
それをやらずに探し続けた半年は、開店が半年遅れたのと同じです
売上はゼロのまま、準備資金と気力だけが減っていく
明日やることは一つです
いま検索に使ってる条件を全部書き出して、動かせる列に入ったものを検索条件から外す
それだけで、今週見られる物件の数が変わります
店舗経営の「独学」を、今日で終わりにする。
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