大津市の店舗経営で売上から費用を整理する|来店経路と営業の負担を一緒に記録

売上は伸びているのに、手元のお金が思ったほど増えない。忙しくなった分だけスタッフを増やし、広告費も使い、あとから支払いの大きさに気づく。店舗の数字を見る時は、売上の伸びと、費用を払ったあとに残る資金を分けて確認することが必要です。
繁友健志の動画「店舗経営で利益が残らない理由」は、消費税、人件費、ロイヤリティなどを考えず、入金の大きさで商売を判断してしまう問題を扱っています。大津市で観光や駅周辺の利用を取り込みたい店も、売上を増やす施策と、その売上をつくる負担を一緒に記録したいところです。
税込の入金を、そのまま自由に使えるお金と考えない
動画では、店舗に入ってくる税込の売上が目に入りやすく、納税を含めた資金の見通しが分かりにくくなることを指摘しています。レジの数字や口座の残高だけを見ていると、まだ支払っていないものが見えにくい、という問題です。
繁友自身も、店舗を始めてから、黒字でも思うほど残らないと感じた経験に触れています。ここで受け取りたいのは、動画の概算割合をそのまま自店の税額に使うことではなく、税金を含めた支出まで見て判断する姿勢です。
自店で使うなら、まず売上の表示が税込か税抜かを揃えます。そのうえで、日々の費用と、後で支払う予定を別に整理します。会計上の利益を確認する表と、お金がいつ入っていつ出るかを見る表は、知りたいことが違います。すでに利益の計算へ含めた費用を、同じ計算で再び差し引かないよう、項目の意味も揃えます。
例えば口座残高に余裕がある月でも、納税、家賃、給与などの支払予定を重ねたらどうなるかを確認する。次の広告や出店へ使う資金を決める前に、支払いの時期まで見ておきたいところです。
同じ売上でも、費用の中身によって見方が変わる
動画のもう一つの論点は、仕入れが多い商売と、人件費が多い商売を同じ感覚で見ないことです。費用総額が似ていても、その中身が違えば、消費税を確認する際の扱いも変わります。
国税庁は、消費税の納付税額の基本的な計算を、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除する形で説明しています。また、給与等の支払いは課税仕入れに含まれないと示しています。経費を使った総額だけから税額を判断することはできません。国税庁「仕入税額控除の対象となるもの」
店舗側で先にできるのは、給与、仕入れ、外注、広告、家賃などを一つの「経費」でまとめず、内訳を用意することです。その材料をもとに、税理士へ自店の計算方法と支払見込みを確認します。人件費が増えた月の売上だけを喜ぶより、何の仕事に何人必要になったのかまで把握すると、運営の改善にも使えます。
なお、開業や法人設立のあと、一定期間は必ず免税になると決めつけて資金計画を作らないようにします。国税庁の新規開業・法人設立の案内には免除されない場合も示され、適格請求書発行事業者は基準期間の課税売上高にかかわらず免除されないと説明されています。開業年数だけで判断せず、自店の条件を確認してください。国税庁「新規開業又は法人の新規設立のとき」
売上歩合のロイヤリティは、増えた売上の先まで計算する
動画の後半では、売上に応じてロイヤリティが増える契約について、売上を上げる際の追加負担と一緒に見る必要があると話しています。売上が増えても、人員を増やし、広告費も追加すれば、その増加分がそのまま利益にはなりません。
具体例として、これまでの人数では対応しきれず、一人増やす場面が挙げられています。お客さんが少し増えるごとに、人件費が同じ幅で少しずつ増えるとは限らないということです。新しい人を配置するタイミングで、必要な支出がまとまって増える場合があります。
自店で検討する時は、売上が今と同じ場合、増えた場合、人を増やして対応する場合を並べます。契約上どの売上を基準にロイヤリティを計算するかも確認します。さらに、その売上を取る広告費、材料費、勤務時間を重ねて、増やす意味があるかを考えます。
繁友は、納税したくないから売上を上げないという考えも、本末転倒だと述べています。負担があるから成長を諦めるのではなく、増やしたあとに何が残るかを見ながら、価格、集客方法、対応できる人数を組み立てるという課題です。
大津の来店施策は、利用する場所と追加負担を揃える
琵琶湖汽船の大津港へのアクセスは、びわ湖浜大津駅からの徒歩、JR大津駅からのバスや徒歩を案内し、専用駐車場はなく近隣の有料駐車場を利用するよう示しています。におの浜観光港の案内では、JR大津駅からのバス経路に加え、駐車場の曜日等による条件や、乗船手続きに伴う割引の条件を掲載しています。
同じ湖岸の利用でも、駐車や移動の条件は同じではありません。周辺の店が来店施策を考えるなら、大津港へ向かう人の利用と、におの浜観光港へ向かう人の利用を一つにまとめない方が、施策の対象を整理できます。施設の駐車割引が自店のお客さんにも使えると、独自に案内することも避けます。
例えば、ある時間帯の来店を増やすため営業時間を延ばす案なら、見込む売上だけでなく、追加勤務、準備や片付け、広告、店が負担する割引を一緒に記録します。公式の施設案内は条件を整理する材料であり、自店の売上予測そのものにはなりません。
表は横にスクロールできます
| 確かめる項目 | 売上と一緒に残す記録 | 判断したいこと |
|---|---|---|
| 売上の前提 | 税込・税抜、集計期間、対象時間帯 | 比較する数字の基準が揃っているか |
| 人員の追加 | 追加勤務、必要な担当、準備・片付け | 来店増に対応するため何が増えるか |
| 集客の支出 | 広告費、割引、来店につながった経路 | 増えた売上を取る負担はどれだけか |
| 本部への支払い | 固定か歩合か、対象売上、計算条件 | 売上の変化で支払いがどう変わるか |
| 支払予定 | 税理士と確認した納税見込み、支払時期 | 残高のうち次の支払いへ備える額 |
| 地域の条件 | 大津港・におの浜など利用先と交通条件 | どの利用場面を対象にした施策か |
「忙しかった」で終わらせず、残るものを確かめる
施策を振り返る時は、普段より売れたかだけでなく、増えた仕事と支出を並べます。人員を増やす必要があったのか、今の人数でも対応できたのか。割引で売上をつくったのか、通常の価格で利用されたのか。この違いを残せば、次の実施条件を決めやすくなります。
月次の数字が揃ったら、税務の見込みを専門家と確認し、店舗側は価格や作業、人の配置の判断へ戻します。売上を追いながら、手元に資金が残る形もつくる。動画の問題提起を自店へ生かすなら、この二つを同時に見ることが出発点です。
参考資料
売上を伸ばす話だけでなく、人件費や集客費をどう見直し、どの仕事を仕組みにするかまで考えると、利益を残すための課題が具体的になります。大津の自店で実行する工夫を経営者の実例から学びたい方は、店舗経営者倶楽部の内容をご覧ください。
店舗経営者倶楽部で、学びを自店の実践へ
店舗経営者倶楽部は、店舗経営者が現場の知恵を持ち寄り、学んだことを自店で試しながら、利益が残る店づくりを進めるための倶楽部です。物件・家賃、採用、集客、多店舗化などの課題を扱い、投資回収を早め、オーナーに依存しすぎない運営を目指します。
- リアル情報交換会:店舗経営者の成功した工夫や失敗した施策を聞き、自店との条件の違いを比べる
- 会員限定WEBセミナー:物件・出店、集客、採用、財務、AIなど、今の課題に合うテーマから学ぶ
- 実店舗出店マニュアル:出店前に確認する順番を整理し、準備の抜けを見直す
情報を集めて終わるのではなく、自店で実践し、数字を振り返り、続けられる仕組みにしていく。そのための学びと交流の場です。
