同じフランチャイズに属しているお店は商品やサービス内容も同一と考えるのが普通です。
お客さまもそう考えながら、各フランチャイズ店を利用することでしょう。
ところが、フランチャイズ店同士でも、食べ物の味が変わることがあるというんです。
どうしてでしょうか。
今回は、その実態に迫ってみましょう。
同じフランチャイズ店なら、味が同じことも多いが⋯
フランチャイズとは、本部が有する商標や販売・経営ノウハウを加盟店がそのまま利用できる店舗経営システムです。
加盟店はその対価として、加盟金やロイヤリティーを支払います。
その上で、本部から伝授されたシステムやノウハウを元に商売の成功を目指していきます。
フランチャイズ加盟店は基本的に本部の指導に従っていくので、メニューや商品・サービスなども統一されたものになりやすいです。
飲食店フランチャイズでは、お客さまに提供される食品や飲料の味が同じになることがよくあります。
そのため、フランチャイズを利用するお客さまも「○○フランチャイズ店なら、どこでも同じメニュー、同じ味が提供されるだろう」と思うモノです。
実際にその通りというケースも多いです。
ところが、フランチャイズ店によって味が違うこともある
同一フランチャイズの飲食店なら、味が同じになりやすいのですが、必ずしも全てのフランチャイズがそうだとは限りません。
加盟店によって、メニューや味が変わることもあるのです。
その理由を見てみましょう。
加盟店の独自性を許している本部もある
基本的にフランチャイズに加盟したお店は本部の指示に従いながら店舗経営をしていきます。
そのせいか、独自性を発揮するのは難しくなっています。
ところが、フランチャイザー(フランチャイズ本部のこと)によっては、加盟店に一定の独自性を許している場合もあるのです。
フランチャイザーの方針やルールを遵守した上で、各店舗のオーナーの裁量で自由に決めていい部分があるということです。
飲食店フランチャイズでは、メニューや味である程度の独自性を発揮できる場合もあります。
完全自由ということではありませんが、各店舗の状況に応じた裁量を活かせるということでしょう。
地域に応じたサービスを提供できる場合も
同じフランチャイズに加盟しているお店でも、お店がある地域は皆違います。
そのために、全く同じ内容のサービスを提供しても、店舗運営がうまくいかないことがあります。
その点に配慮したフランチャイザーが地域ごとの特性を活かしても構わないとしていることがあるのです。
地域に応じたサービスを提供できるということであり、飲食店関連では、味にも工夫を凝らすことができる場合があります。
日にちや時間によって味が変わることも
フランチャイズ店舗ごとに味が違うというだけでなく、同じ加盟店でも日にちや時間によって味が変わることがあります。
例えば、混雑している時間と空いている時間で味が違うとか。
あるいは、昼と夜で微妙に味の変化があるとか。
これはお客さまにとってはちょっと困ることかもしれません。
味がおいしい日や時間にお店を利用できればいいのですが、イマイチの味の時に出くわすと、ガッカリですね。
オーナーが代わることで味も変わることがある
フランチャイズ加盟店を経営するのはフランチャイザーと契約を結んだオーナーです。
オーナーはフランチャイザーの指示を受けながら、店舗経営に携わっていきます。
基本的にはオーナーが誰であれ、加盟店のサービスは変わらないような仕組みにはなっています。
飲食店フランチャイズの場合は、メニューも味も変わらないように配慮されているのです。
しかし、表面上はそういう建前になっていても、オーナーが代わることで微妙にサービスの変化が生じることもあります。
全フランチャイズ店で全く同じサービスを提供できないこともあるでしょうし、オーナーの個性がある程度出てしまうこともあるでしょう。
そのために、オーナーが代わることで、飲食物の味が少し変わってしまうこともあるのです。
あくまでも人間のやることである⋯
オーナーに独自性を許しているフランチャイザーを別にすると、フランチャイズ加盟店はどこでも同じサービスを提供することになっています。
しかし、ここは人間の行うことです。
フランチャイザーの思惑の通りに行かないこともあります。
よほどサービスが確立されたフランチャイズでないと、各加盟店ごとにサービスの違いが出てしまうことがあります。
飲食店フランチャイズでも、提供する飲食物の味が変わってしまうこともあるでしょう。
お客さまはどこのフランチャイズ店に行っても、同じ味の食べ物や飲料を食せると期待しているでしょうが、そのような期待通りに行かないこともあるのです。
味が違うフランチャイズ店利用で困ること
フランチャイズ店ごとに味が違う理由を見てみましたが、これで困ることもあります。
困ることには、お客さまが、フランチャイザーが、加盟店がなどのケースがあります。
それぞれのケースを考えてみましょう
お客さまが困ること
フランチャイズ店ごとに味が違うことで、お客さまが困ることがあります。
それはおいしいフランチャイズ店を利用できるときはいいですが、まずい味のフランチャイズ店に出くわしたときです。
これでは満足感も得られず、ガッカリでしょう。
お客さまとしては、同名フランチャイズ店なら同じようにおいしい味を楽しめると期待しています。
ところが、お店によって味が違うとなると、そのフランチャイズ系列店を利用しにくくなります。
おいしい店に当たるかまずい店に当たるかわからないからです。
お店の看板を見ただけでは、判断もできませんね。
これではそのフランチャイズ店に見切りを付けてしまうかもしれません。
フランチャイザーが困ること
フランチャイズ加盟店ごとに飲食物の味が違うと、フランチャイザーが困ることもあります。
フランチャイザーが事業を拡大し、ビジネスで成功するためには、各加盟店がお客さまから一定の評価を得てもらう必要があります。
どの加盟店もお客さまから好評価を得ていれば、そのフランチャイズのサービスはたしかなものであるという証拠にもなり、事業発展に繋がるでしょう。
しかし、フランチャイズ加盟店ごとに味が違うとなると、お客さまからの評判がまちまちになってしまいます。
おいしい味を提供している加盟店の評判は良くなるでしょうが、まずい味を提供している加盟店がその足を引っ張ることにもなります。
そうなると、フランチャイズ全体の評価も下がることになりかねません。
フランチャイザーとしても、これは困りますね。
全ての加盟店が皆お客さまから好評価を得るという前提で、事業発展も狙えるのです。
しかし、各加盟店ごとに味が違うようでは、期待通りの発展をしにくくなるでしょう。
場合によっては、フランチャイズの縮小ということもあり得ます。
お客さまから味がまずいと言われている加盟店をそのまま存続させるのが難しくなることもあるでしょう。
加盟店にとって困る店
フランチャイズ店によって味が違うと、加盟店にとっても困ることがあります。
まず同系列のフランチャイズ店舗の味がまずいと、その影響を受けてしまいます。
「うちの料理はおいしいですよ」といくら訴えても、他加盟店で飲食をしたお客さまの印象を覆せないこともあるでしょう。
そうなると、お客さまの店舗利用意向も下がってしまいます。
まずい味の加盟店があると、フランチャイズ全体の人気が下がってしまうこともあります。
「あのフランチャイズの料理の味はまずいよ」などと言う噂が立ったら大変です。
これはフランチャイザーにとっても加盟店側にとってもゆゆしき問題でしょう。
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