「フランチャイズってネズミ講みたいなもんじゃないの?」、そう思われる方がいるかもしれません。
確かにそのように誤解されるときもありますが、フランチャイズとネズミ講は全く別物です。
どうして別物と言えるのか、今回はその理由を説明しましょう。
ネズミ講とは?
まず、ネズミ講とはどんなものなのかを説明しておきましょう。
ネズミの特徴として、子供をたくさん産みます。
その子供もたくさん子供を産みます。
このようなネズミの特徴を商売になぞらえたのがネズミ講です。
どういうことかというと、ネズミの子供が増えるがごとく、仲間が増えるほど儲けが増えていくからです。
具体例を挙げて説明しましょう。
あなたがある組織に3万円支払って、会員になったとします。
そこで新たに会員を3人集めると、組織には9万円入ります。
会員を集めた対価として、あなたに1人につき1万円入るとすると、会員3人で3万円ということになるでしょう。
これがネズミ講の仕組みです。
会員を多く集めれば集めるほど、あなたの儲けが多くなるのです。
法律では、<無限連鎖講>という
ネズミ講のことを法律では<無限連鎖講>といいます。
<無限連鎖講>は違法行為に当たります。
<無限連鎖講の防止に関する法律>という法律があり、ネズミ講を禁止しているのです。
仮に儲かっても限界が来る
ネズミ講で儲かることはあり得ますが、いずれは限界が来ます。
早い段階では新規会員を募り、儲けを得られる場合もありますが、そういつまでも新会員を集められるわけではないからです。
また、ネズミ講では単に会員を増やすことだけが目的であり、商売の実態もないので、やがて破綻を迎えるのが普通です。
フランチャイズとは?
続いて、フランチャイズの説明をしましょう。
フランチャイズは親企業(本部=フランチャイザー)が加盟店を募り、加盟したオーナーは親企業の商標や商号を使う権利を得るほか、サポートも受けながら商売展開をしていく仕組みです。
加盟オーナーは商標や商号の利用権利とサポートの対価として、加盟金やロイヤリティという金額を支払います。
加盟店は親企業のブランドをそのまま使えるので、広告宣伝で苦労することが少なくなり、集客も図りやすくなっています。
フランチャイズとネズミ講は全くの別物
ネズミ講とフランチャイズ、それぞれの商売の仕組みを解説しましたが、その内容を見れば明らかでしょう。
フランチャイズとネズミ講は全くの別物です。
ただ、似ているところがあるとすれば、親会社(親組織)が存在し、会員を募るところかもしれません。
しかし、その意味合いが全く異なります。
ネズミ講は会員になった人が新たな会員を集めれば集めるほど、儲けが入ってくるようになっています。
しかし、すでに説明したようにこれは違法行為に該当します。
フランチャイズの方は加盟店が新たな会員を集めることはありません。
自分が加盟店になるかならないかだけのことです。
他の加盟店を増やす努力をしたとしても、何の利益も入ってこないのです。
むしろ、フランチャイズでは他の加盟店については知らないことが多いです。
あくまでも加盟店として、自分がどう商売をしていくかが問われるのであって、他の加盟店とはあまり関わり合いを持ちません。
フランチャイズとネズミ講の違いを簡単にまとめてみましょう。
フランチャイズは加盟店が合法的な商売を行うことで儲けを得ます。
ネズミ講は会員をねずみ算式に増やすことで儲ける仕組みで、違法行為に該当します。
ネズミ講に騙されないために
ネズミ講に騙されないようにするためのコツを紹介します。
商売をするときは、フランチャイズのような合法的な手段を採用し、ネズミ講などには頼らないようにしてください。
商品やサービスの実態を確認する
ネズミ講は会員を増やすことで儲けを狙う仕組みですが、商品やサービスの実態と伴わないことが多いです。
ただ、会員だけを増やせばいいということで、確かな商品やサービスが提供されていないものです。
そのような実態があるのかないのか確認することも、ネズミ講に騙されないコツでしょう。
「稼げる」「儲かる」の謳い文句に要注意
ネズミ講の勧誘をしている組織や人物は、大きく稼げる、儲けられるという謳い文句を使って勧誘してきます。
その実、商売の実態はなく、会員を増やすためだけの詐欺手法です。
こんな謳い文句には要注意です。
紹介を目的にした商売には要注意
新会員を紹介すれば、ポイントを付与しますという制度を用意しているサービスはよくあります。
しかし、このようなポイント付与サービスとネズミ講は違います。
ポイント付与サービスでは、会員からお金は徴収しません。
お金は頂かず、新会員を紹介したときだけにポイントを付与する仕組みになっています。
ネズミ講では、会員からお金を取っておいて、紹介するたびに新会員から取ったお金の一部を報酬として渡すことになります。
このような紹介制度になっているネズミ講には十分注意してください。
契約書や説明はしっかり確認を
商売を始めようとするときは、契約書や説明をしっかり確認しないといけません。
ネズミ講まがいの商売と思われる内容が含まれていないでしょうか。
そのような点に気がついたら、契約をやめましょう。
公的機関に相談を
ネズミ講と思われる不審な勧誘を受けたら、自分一人だけで判断せず、公的機関に相談するといいでしょう。
警察や国民生活センターに相談してみてください。
ネズミ講などには騙されず、正規のフランチャイズを利用しよう
ネズミ講に騙されないためのコツを紹介しましたが、そんなものには決して巻き込まれずに、正規のフランチャイズを利用したいところです。
そこでポイントになるのが、どのようなフランチャイズを選ぶかです。
単にネズミ講でないというだけでなく、信用できるフランチャイズを選ぶポイントがあるので、解説しましょう。
ブランド力の強さ・信用性
フランチャイズを選ぶときは、本部のブランド力や信用性を確かめておきましょう。
ブランドのパワーと信用性は、加盟店の集客に直結する部分だからです。
加盟後の店舗経営を順調に進めるために、非常に大事なことです。
サポート体制
フランチャイズ加盟の要と言えるのがサポート体制です。
本部がどのようなサポートをしてくれるかによって、今後の商売展開も変わってくるでしょう。
サポートが充実しているフランチャイズを選んでおけば、何かと助けられて、店舗経営もしやすくなります。
加盟金やロイヤリティの額や仕組み
フランチャイズに加盟すると、加盟店は本部に加盟金やロイヤリティを支払うことになりますが、その金額や仕組みが妥当なものであるか確認しておきましょう。
お金に関することは後でトラブルになることもあるので、十分な確認を取った上で契約しないといけません。
情報収集をしっかりしておく
フランチャイズを選ぶ際は、本部の情報収集をしっかりしておきましょう。
公式ホームページからの情報収集や資料請求くらいなら誰しもするでしょうが、それだけではなく、業界専門誌、フランチャイズ情報誌、説明会、フランチャイズショーなどのイベントも活用してみましょう。
様々な手段で情報収集すると、確かなフランチャイズか、信用できるフランチャイズかなどの確認もしやすくなります。
フランチャイズとネズミ講は全くの別物であるとの認識を持つ
すでに説明したように、フランチャイズとネズミ講は全くの別物です。
この点を正しく認識し、正規のフランチャイズを選ぶようにすれば、後々の失敗も防ぎやすくなります。
信用できる確かなフランチャイズを選んで、ネズミ講などに関わってはいけません。