フランチャイズの0次募集とは?メリット・デメリットを解説

フランチャイズ本部が行うことがあるのが0次募集という募集方法です。

1次募集や2次募集ではなく、0次募集?一体どういう募集方法なのかと思ったかもしれません。

そこで今回は、フランチャイズの0次募集の概要やメリット・デメリットなどを解説することにしましょう。

フランチャイズの0次募集とは?

フランチャイズの0次募集とは、いわば実験段階の募集方法です。

普通フランチャイズ本部が加盟店を募集する際は、広告を出して、それを見て興味を持ったオーナーが応募してきます。

あるいは、話だけでも聞いてみようと本部にやってくるオーナーもいるでしょう。

しかし、0次募集の場合は、広告を出す前に知人や身内など近しい人の中から、フランチャイズ加盟希望者を募集します。

1次募集では広告を使って大々的な募集をしますが、0次募集では広告を使いません。

 

なぜフランチャイザーは0次募集をかけるのか?

フランチャイズの1次募集では広告を使って各方面に加盟希望者を募ります。

ある意味、無制限にどの地域からでも募集するということです。

そうして集まったフランチャイジー(加盟店のこと)がビジネスを成功させて、フランチャイザー(本部こと)の実績と評価を上げてくれれば、言うことはありません。

しかし、無制限に募集したフランチャイジーが本当に成功してくれるのか、フランチャイザーとしても不安なのです。

また、最初にフランチャイジーを募集するときは、フランチャイズビジネスの実績がなく、応募希望者に示す資料がありません。

そこで、フランチャイザーとしては手始めに0次募集をかけて、知人などにフランチャイズ加盟してもらい、実績と数字を作ってもらうようにします。

0次募集で参入したフランチャイジーなら、手ほどきもしやすく、商売で成功する確率も高くなります。

これでフランチャイザーの実績と評価も確立され、1次募集する際の資料や材料作りもできるというわけです。

 

フランチャイズの0次募集のメリット

フランチャイズの0次募集にはどのようなメリットがあるでしょうか。

フランチャイザー側にも応募する側にもメリットがあるので、それぞれを確認してみましょう。

 

フランチャイザー側にとってのメリット

0次募集でフランチャイザーが受けるメリットを解説しましょう。

 

信頼できる人を集められる

フランチャイズの0次募集では、フランチャイザーの知人や身内などから加盟希望者を募ります。

知人や身内ということもあり、気心は知れている人たちです。

それだけに信頼もしやすいです。

ここはフランチャイザーにとっても大切な点で、まずは信頼できる人にお店を経営してもらいたいのです。

信頼できない人に経営を任せたら、後で何が起きるかわかりません。

フランチャイザーは身近な信頼できる人にフランチャイズ店を経営してもらい、確実な成功に導きたいのです。

 

優秀な人材を集められることがある

フランチャイズの1次募集では、どのようなオーナーが集まるかが予想できません。

優秀な人もいれば、あまりビジネスの能力のない人が来てしまうこともあるでしょう。

0次募集では、よく知っている相手を中心に募集することになるので、優秀な人材を集めやすいです。

この人はあまりビジネスの才能がなさそうだという人には声をかけなければいいのです。

これでフランチャイザーが望むような人材を採用できるでしょう。

 

チャレンジ精神旺盛な人が集まる

フランチャイズの0次募集に応募してくる人はチャレンジ精神旺盛な人でもあります。

実験段階とも言えるフランチャイザーの0次募集なのですから、成功する可能性もあれば失敗するリスクもあります。

それを承知で応募してくるということは、新しい事業を開拓したい、思い切ってがんばってみたいという気持ちでいっぱいなのでしょう。

 

応募者にとってのメリット

フランチャイズの0次募集は応募者にとってのメリットもいくつかあるので、取り上げてみましょう。

 

先行者として大きな収益を上げられる場合も

フランチャイズの0次募集に応募して、フランチャイズ加盟すると、先行者として大きな収益を上げられる場合もあります。

0次募集の段階では、フランチャイザーのフランチャイズビジネスはまだ確立されていないといっていいでしょう。

そのため、フランチャイジーにとっても未知数の面はあるのですが、先行者として成功できうる可能性を秘めていることが確かです。

後から1次募集で参入してくるフランチャイジーにはない利益を得られる場合もあります。

 

見知った相手からなら指導も受けやすい

フランチャイズの0次募集で応募するのは、フランチャイザーの知人や身内の人です。

よく見知った関係と言えるでしょう。

そうなると、指導やサポートも受けやすくなるでしょうし、聞きたいことも遠慮なく質問できるものです。

より丁寧な指導やサポートを受けられるかもしれません。

 

フランチャイズの0次募集のデメリット

今度はフランチャイズの0次募集のデメリットの方に焦点を当ててみましょう。

どのようなデメリットがあるでしょうか。

 

フランチャイザー側にとってのデメリット

フランチャイザーにとっての0次募集のデメリットをまず挙げてみます。

 

知人や身内だから成功するとは限らない

フランチャイズの0次募集では、知人や身内を中心に加盟募集をします。

この方が信頼できる優秀な人材を集められて、フランチャイズ店経営を成功させてくれる可能性も高いからです。

その結果を1次募集の際に活かせます。

しかし、これはうまくいったとしての話です。

0次募集で集めた人材が必ずフランチャイズ店経営で成功するとは限りません。

知人や身内ということもあり、丁寧な指導やサポートもするかもしれませんが、その成果が出ないことも考えられます。

まだ実験段階の0次募集では、どのような結果になるか保証されていませんね。

 

0次募集で失敗すれば、1次募集に至らないかも

フランチャイザーが0次募集をかけて、うまく成果が上がればいいのですが、そうなるとは限りません。

もし0次募集で集めたオーナーがフランチャイズ店経営で失敗すると、次の段階に進めなくなる恐れもあります。

1次募集をかけるための材料が得られなくなり、広く多方面からフランチャイズ募集を募ることができなくなってしまうことがあります。

そうなれば、当初期待していたフランチャイズ事業そのものが頓挫しかねません。

 

応募者にとってのデメリット

フランチャイズの0次募集の応募者にとってのデメリットを見てみましょう。

 

海のものとも山のものともつかない

何度も言っているように、フランチャイズの0次募集は実験段階の募集です。

フランチャイザーが試しに募集しているのです。

そのため、この段階では普通フランチャイザーのビジネスモデルは確立されていません。

そのような中にあって応募しても、今後のことは海のものとも山のものともつかないでしょう。

大きく成功することもあれば、失敗してしまうこともあります。

リスクを孕んだ中での出発ということです。

 

サポート内容が確立されていない

フランチャイズの0次募集に応募しても、まだサポート内容が確立されていないケースも多いです。

フランチャイジーが成功するかどうかはフランチャイザーのサポートいかんに掛かっています。

それが確立していない段階でフランチャイズ店を経営しても、うまくいくのかどうか不安でしょう。

フランチャイジーとしては充実した内容のサポートが欲しいところですが、0次募集の段階では未知数です。

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繁友 健志

繁友 健志

店舗経営のボランタリーチェーン【店舗経営者 倶楽部】(210加盟)のFC本部代表*経済誌「ビジネスチャンス」店舗開発について連載中*店舗不動産屋と痩身サロン「スピード美人」とドライヘッドスパ「癒し〜ぷ」のFC店を経営

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